相続ブログ

2013.12.25更新

相続開始後の収益物件の賃料と管理の費用(賃料)

1 相続開始後の相続財産(不動産)の収益に関する事件の関連で、
 判例タイムズに3回(1390号、1392号、1393号)にわたり掲載さ
 れていた論文を再読しました。

2 一度目は事件に関する論点(管理:主に賃料の帰属と固定資産税
 の取扱の問題)のみを拾い読みしましたが、今後のこともあるので
 相続財産(不動産)の使用(占有相続人に対する明渡請求及び金銭
 請求)に関する部分も含めて通読しました。

3 担当している事件における相続財産(不動産)は、その利用方法と
 管理費用の負担者の視点から、
  ①収益物件(2種類)
  ②自宅
  ③相手方の事業に用いているもの
  ④相手方の自宅
  ⑤非事業用のもの
  ⑥相手方の子の事業用で使用貸借になっているもの
 に分けることが可能です。

4 収益物件は、賃借人の供託方法(被供託者)が2種類あり、供託
 金の払戻を受けるにあたり、必要書類等方法が異なります。
  固定資産税の負担者を定めるに当たり、この2種類を分ける必要
 があります。

  
5 担当している事件では、相続財産(不動産)(収益物件)の費用
 支出が問題となっています。
  不当利得の類型論のうち、いわゆる「支出利得(費用利得)」に
 関するものです。

6 「支出利得」のところが少し理論的にわかりにくかったので、不当
 利得の教科書を再度通読しようとも思いました。

2013.12.21更新

家事事件手続法[相続財産管理人]

1.破産管財のメーリングリストで、主として相続財産管理人の
 業務のことが話題となっていました。

2.その話題の関係で、家事審判法の改訂の内容を調べること
 にしました。

3.相続財産管理人の調査用ファイル(主として愛知県弁護士会
 の講演の際に作成したもの)に調査結果を綴じておきました。

2013.12.16更新

遺産調査等[遺言執行等]

1 遺産(相続預金)調査に対する銀行等金融機関の対応 
  その1

 ① 支店分も含めて回答してくれるところ
 ② 漏れている支店分も含めて回答してくれるところ
 ③ 支店分は回答してくれないところ
 ④ 支店によって必要書類が違うところ
   (おそらく担当者の理解力の差が原因)

 と、対応に違いがあります。

 
2 また、預金の解約(遺言執行)では、同一書式を
 使っているのに、

 ① A社では、遺言執行者名義のみで足りる
 ② B社では、取得者の氏名も必要

 と、取扱いが異なります。

3 以上のように、遺産(相続預金)の調査、預金の
 解約については、破産管財人や相続財産管理人
 と違って、金融機関毎に対応が異なるため、依頼者へ
 の説明には神経を使います。

2013.12.03更新

土曜日は通常営業

1 先々週の土曜日はカレンダーでは休日でしたが、私は通常
  出勤でした。

2 先週の土曜日も、通常出勤していました。

3 先々週は打ち合わせなどはなく、1日中、起案、調べ物をし
  ました

  調べ物は、
    相続開始後の不動産についての共同相続人間の
    請求の問題
  に関するものでした。
  不動産の種類が①相続人の自宅 ②収益物件 ③それ以外に
  分かれています。収益物件も、賃料が供託されており、被供託
  者の記載方法も差があります。
  いくつかの最高裁判決があり、不動産の種類毎に論点が異な
  ります。
  最新の判例タイムズに、3回に渡り論文が掲載されていました。

4 先週の土曜日は、
   ① 相続 2件(うち1件は新規)
   ② 交通事故 1件(新規)
  の相談がありました。

2013.11.27更新

使用貸借

1 被相続人の自宅に被相続人と同居していた相続人は、
  被相続人が死亡すると、他の相続人の関係では、遺産分割
  によって最終的な権利者が定まるまでは、使用貸借が成立
  するというのが判例です。

2 従って、使用料を他の相続人に支払う義務はありませんが、
  固定資産税は 『通常の必要費』 として負担する義務がある
  とするのが、判例の考え方です。

3 相続人が被相続人の土地に建物を建築して使用して、被相
  続人に地代の支払いをしていないなかった場合は、使用貸
  借になります。
  その土地に関して、相続人が固定資産税を負担しても賃料
  の支払い(賃貸借)として認めない裁判例が多いです。

  この場合、使用貸借権のある建物があることで、その土地の
  評価は更地より低くなりますが(使用借権減価)、その分、
   建物を所有する相続人は特別受益を受けていた
  と考えられるので、その相続人が土地を取得する場合は、
  結局は「更地」として取得した計算をすることになります。

4 使用貸借は、借主の死亡を終了原因と、民法は定めていま
  すが、一定の場合にこれを否定した裁判例があります。

2013.11.19更新

検認調書 [遺言]

1 自筆証書遺言について、家庭裁判所の審判により
    遺言執行者
  に選任されましたので、金融機関等に検認済証明のある遺言書の
  写しを送付し、遺言執行に着手しました。

2 A銀行より、検認調書の提出を求められたので、その写しを取得
  することにしました。
  検認調書には、「事実の調査の結果」等が記載されているので、
  その内容を確認したいとの申出です。

3 私は、公正証書遺言で遺言執行者に指定される場合が多いです
  が、現在担当している案件は、2件とも、家庭裁判所において選任
  されたものです。

2013.11.12更新

証券会社への照会[遺産調査]

1 現在、遺産調査の依頼があり、①銀行、②証券会社 に対して照会
  をしています。

2 銀行は、回答の速度、当方が回答を受けるために提示すべき書類
  について差があります。

3 証券会社も、
   ア 残高、取引履歴の双方を回答いただけるところ
   イ 履歴は所定の用紙の提出が求められるところ
   ウ 弁護士法23条の照会でないと回答をしていただけないところ
  等、対応が分かれます。

4 私が相続財産管理人や破産管財人の立場で照会をする場合は、
  「本人」であるので、前記のような差はほぼありませんが、今回は
  相続人の代理人という立場であり、このような場合には、会社ごと
  に差が大きく出てきます。

2013.11.06更新

遺産分割調停の進行[遺産分割]

1 先日、遺産分割調停の申立をした大阪家庭裁判所に、
   ① 単独調停か
   ② 調停委員会に付する調停か
  の問い合わせをしたところ、②で行うとの回答でした。

2 単独調停とは、『調停委員会に付する調停』ではなく、
  家事審判官(裁判官)自ら、調停の席に出席して、調停
  の進行を行うという、調停の進行方法です。

3 私が大阪にいたころ、単独調停の事件で当事者の代理人
  をしたこともありました。

4 初めて単独調停の事件にあたったときは、調停の席に
  裁判官と書記官のみが出てきて、
   なぜ、調停委員が出てこないんだろう
  と驚いて、「家事審判官の単独調停」について調べた
  ことを覚えています。

2013.11.02更新

代位登記 [不動産]

1 「相続人不存在」の関係で、抵当権者申立の相続財産管理人の
 事件を受任しました。

2 担保分の「相続財産」の不動産の登記は担保所有権者で代位に
 よって行うとのことでした。

3 そうすると、法務局より以下の通知書が送付されてきました。
  
  
  
   【通知書】
 
   不動産所在事項及び不動産番号
   登記の目的 『所有権登記名義人氏名変更』
   登記原因及びその日付 『平成 年  月  日相続人不存在』
   代位申請人の住所
   代位原因 『根抵当権元本確定の登記請求権』
   受付年月日 
   受付番号
   
   上記のとおり登記をしたので、通知します(不動産登記規則
   第183条第1項第2号)。


1. 【規則183条】
登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号(第一号に
掲げる場合にあっては、申請人以外の者に限る。)に定める者に対し、
登記が完了した旨を通知しなければならない。

2. 【民法第423条】
その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づく登記を
完了した場合 当該他人

2013.11.02更新

調停手続への出頭 [遺産分割]

1 相続分の放棄や譲渡で訴訟手続を脱退しない場合で、調停手続へ
の出頭が「病気」や「遠隔地」で困難な場合には、調停の成立には以下
の方法が可能です。

2 電話会議システム及びテレビ会議システムの利用
① 調停手続の期日において電話会議システム・テレビ会議システム
を利用する場合には、出頭したものとみなされます。一方又は双方の
当事者が裁判所に出頭していなくても調停を成立させることができます。

② 手続の進行としても①の方法が可能です。民事事件ですと他方が
遠隔地の場合は、一方代理人は裁判所に出頭しないで、事務所で
電話で手続を行うことがあります。先日は、東京高裁での手続で私は、
事務所で電話を「送受信」して手続を行いました。

3 受諾手続
① 調停条項案の書面による受諾の方法により、調停の合意を成立さ
せる方法です。

② 不出頭当事者による調停条項案に対する受諾書面と、出頭当事
者の意思表示との合致によって、不出頭当事者及び出頭当事者を含
め、当事者全員の間に調停期日における合意が成立したものと擬制
する手続です。

③ 要件は以下のとおりです。
遠隔地、病気、老齢等により客観的に出頭が困難である場合です。

④ 当事者の真意の確認の方法としては、対面しての調査が必要な
特段の事情がないある場合を除き、受諾書面に印鑑証明書を添付さ
せる方法ないし記録等から当事者の署名印影を確認する等の方法が
採られています。

4 家庭裁判所の照会書に出席が可能かの回答欄があり、
その点について相手方からの問い合わせがありましたので以上の
点を説明しました。

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