2014.01.22更新
再転相続
1.今月に入り、再転相続が発生している遺産分割の案件について
2件の家庭裁判所の調停が成立しました。
2.1件は、昭和の時代に相続が発生し、その後当事者間で断絶的に
話合いがなされていましたが、結着がつかなかった案件で、当事務
所が受任して解決に至ったものです。
3.いずれも再転相続は一回しか発生しておらず「相続人Aの相続
人B」のみで、「相続人Aの相続人Bの相続人C」はいませんでし
たが、私は2回再転相続が起きている例も何回か担当したことが
あります。
2014.01.15更新
初めての遺産分割調停
1.勤務弁護士にとって、初めての遺産分割の調停が成立しました。
そこで、調停の条項の作成にあたり、いろいろ勉強するように
指示しました。
(1)当事者の表示について
① 相続分の譲渡により当事者を整理した場合の、当事者の
表示の作成方法
② 2人以上を代理していた代理人弁護士の対処の方法
(2)各調停条項について
① 相続人関係の確認条項
相続登記申請の際の戸籍謄本等必要書類との関係
② a 開始後の遺産収益に関する紛争が解決したとの条項
を入れる意味
遺産収益(相続開始後の配当金)は遺産と別個の共同
相続人間の共有財産であるが(最一小判H17・9・8民集
59・7・1931)、当事者全員が遺産分割の対象とする合意
をした場合、遺産分割の対象とできる。
遺産収益に関する紛争の解決条項を入れることで、
一回的解決を図ることができる。
b 家庭裁判所の運用としてのいわゆる折衷説の勉強
③ 代償分割の記載方法
④ 代償分割ができる条件
ア)「特段の事由」
共同相続人間に代償支払の方法によることについて、
概ね争いがない場合
イ)要件
代償金の支払能力があることについての調査、あてはめ
2 これらについて、遺産分割における法的意味を理解して確認
するように指示しました。
3 1つの事件を掘り下げて、その周辺を含めて調査・勉強する
ことで、他への応用も可能になるので、私は、疑問に思ったこと
はなるべく広げてその周辺まで調べるようにしています。
4 1に記載したことは、私としては、全て理解しているか、どの
論文を読めばわかるかを把握しています。
勤務弁護士にとっては、一からの調査であり、一からの勉強
となりました。
2014.01.11更新
遺言が必要な場合(同居家族による介護)
1 高齢の親と同居し、長年介護をしてきた子やその配偶者が、親の
死後、当然に、その親所有であったその家に住み続けられないと
いうことが少なくない、という記事が、日経新聞に掲載されていま
した(平成26年1月8日「女性と老後」)。
2 家の所有者が亡親(被相続人A)であり、同居の子(X)以外にも
相続人(Y、Z)がいるとします。
(1)その家以外に、分割する財産(預貯金や他の不動産等)が十分
にない場合、その家を売却して現金をY,Zに分けたり、Y、Zの相
続分に相当する現金をXが負担したりせざるを得なくなります(「代
償分割」といい、「代償金」を支払う方法で家を単独で相続するこ
とになります)。
(2)その場合、Xは、遺産分割協議において、自分や配偶者(B)が
長年Aを介護してきたことを、「寄与分」として主張することが考え
られます。
寄与分とは、被相続人の『財産の増加や維持』に『特別の寄
与』をした「相続人」に、法定相続分よりも多くの財産を取得させ
て、相続人間の公平を図るものです。
BはAの相続人ではないので、Bによる介護もXの寄与分と
して主張することになります。
(3)もっとも、
① 介護のような「療養看護型」の寄与分は、民法上の扶養義
務を超えた特別の貢献(親子関係に基いて通常期待される
範囲を超えたもの)でなければならず、認められる基準は厳し
いものです。
② また、Y、Zから、Xが同居することで得た利益(生前に特別
に受けた利益「特別受益」)を差し引くよう主張されることもあり
ます(相続分の前渡しとみて、分割前の相続財産に加算する
「持戻し」の主張)。
(なおこの点は、Aが「持戻し免除」をしておくことや、Aの介護上
同居が必要でやむなく同居したのであるから得た利益が少な
いと主張することが考えられます。)
(4)このような事態を避ける方法として、「代償金」の支払にあて
るために、Xを受取人とする生命保険を掛けておくことや、BをA
の養子にすることが考えられますが、最も多く採られる方法は、
Xに家を単独相続させるという内容の遺言を作成することです。
3 日経の記事はこれらの問題を指摘し、対策として上記の方法
を挙げていますが、特に遺言の作成については、Y、Zからの
遺留分減殺請求(遺言の内容にかかわらず、相続人に一定割
合の財産の相続を保障する制度)に配慮する必要があります。
4 遺言作成は、ご自身でも可能ですし、信託銀行等でも相談を
受け付けています。
ただ、弁護士は、相続人の代理人として多くの紛争に対応し
た経験がありますので、弁護士であれば、Y、Zから遺留分減
殺請求がなされる可能性をなるべく抑える「付言事項」を遺言
に記載する等、工夫した助言をすることが可能です。
信託銀行は、遺留分減殺請求があった場合、遺言執行をし
てくれないのが一般です。
2014.01.07更新
文献整理[限定承認]
1 「限定承認」の手続について、これまでに読んだ本と別の視点で
書かれている文献を読みました。
それぞれコピーをとり、「相続放棄」「限定承認」の文献を整理し
てあるファイルに綴じました。
2 同時に、このファイルに綴じてあった古い資料を廃棄し、資料の
整理をしました。
3 ファイルの整理をしていたら、次のようなメモ(従前の事件処理用
に作成したもの)を発見したので、再読しました。
① 限定承認の先買権についてのフローチャート
② 相続放棄をした相続人に対し、法定単純承認を前提に、相続債
権者が承継執行文の交付を受けて差押えをした場合に、相続放
棄をした相続人が右差押えを争う手続について
4 ①は、限定承認した相続人が先買権を行使する際の具体的方法
(登記も含めて)、及び第三者への売却の場合の問題点(税金の問
題も含めて)をまとめたものです。
5 ②は、承継執行文付与に対する異議について要件及び手続の流
れをまとめたものです。
最近のブログ記事
entryの検索
月別ブログ記事一覧
- 2019年6月 (2)
- 2019年4月 (1)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (3)
- 2018年12月 (1)
- 2018年9月 (2)
- 2016年5月 (1)
- 2016年2月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年12月 (1)
- 2015年10月 (1)
- 2015年8月 (2)
- 2015年7月 (1)
- 2015年6月 (1)
- 2015年4月 (2)
- 2015年2月 (2)
- 2014年12月 (1)
- 2014年8月 (2)
- 2014年7月 (2)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (1)
- 2014年4月 (1)
- 2014年3月 (1)
- 2014年2月 (3)
- 2014年1月 (4)
- 2013年12月 (4)
- 2013年11月 (6)
- 2013年10月 (3)
- 2013年9月 (1)
- 2013年8月 (7)
- 2013年7月 (2)
- 2013年6月 (3)
- 2013年5月 (4)
- 2013年4月 (3)
- 2013年3月 (4)
- 2013年2月 (2)
- 2013年1月 (1)
- 2012年12月 (4)
- 2012年11月 (1)