相続ブログ

2013.08.16更新

兄弟姉妹の遺留分と遺言[遺留分]

1 お盆の日に、現地調査のため、志摩市に出かけました。

2 帰りの車でテレビを見ていたところ、ある番組で、、
   相続問題、とりわけ、遺留分について問題を、
   会場参加者に 『はい/いいえ』 で答えてもらい、
   弁護士が解説をする、
  というコーナーがありました。

3 1問目は、妻と子2人がいて、夫(父)が死亡し、
   「女の人に全ての財産を相続させる」
  旨の遺言書が、夫のカバンから出てきた場合において、
  妻と子2人は、全ての財産を渡す必要があるか、という問
  題でした。

  妻と子に2分の1の遺留分 があるので、『いいえ』が正し
  いのですが、『はい』と答えた方もそれなりにいらっしゃい
  ました。

    (このような遺言の場合、その遺言書はカバンから出てくる
    のではなく、夫が「女の人」に渡してあったので「女の人」
    の代理人弁護士か遺言執行者の弁護士から、遺言書の
    写しが届く、というケースが多いかと思います。)

4 2問目は、妻(子はいない)、兄がいて、夫(弟)が死亡し
   「全ての遺産を妻に相続させる」
  旨の遺言書について、兄から、自分にも相続分があるから
  遺産の一部を渡すように(怒って)請求をうけたが、渡す必
  要があるか、という問題でした。

  兄(または弟姉妹)は遺留分がない から渡す必要がない
  ので、『いいえ』が正解ですが、今度は、1問目の解説の
  後だったこともあり、『はい』の方も、やはりいらっしゃいま
  した。
     (このような遺言で「怒る」兄弟は、あまりいないと思います)

5(1) 遺留分(兄弟姉妹)に関する法律は、前記4のとおりで
    すので、子がない場合には、妻(配偶者)のために遺言
    を書いておくと、遺留分に関するトラブルは起きません。

  (2) むしろ、遺言書がないと、4のケースでは、
     不動産の処分 や 預金の引き出し 
    等の相続手続に、兄の協力が必要になってきます。

  (3) 4のようなケースは、
     遺言書を書くことを検討した方がよいケース
    の典型例です。

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